転職の末にリフォームという仕事にたどりつき、また、職人と結婚して、どっぷりとリフォームの世界に入った私ですが、つくづく独特の仕事だなあ、と思います。 というのも、

① 見えないもの(工事後の家)に対して、工事を依頼していただくこと
② お客様の家に出向かなくては仕事ができない(見積もりも、工事も)
③ たとえ同じつくりの家でも暮らし方はちがうので、仕事の内容は全件ちがう
④ 家の構造や築年数によっても仕事の内容が変わってくる
⑤ それらの理由からか「定価」が決められない
⑥ リフォームにかかわる専門職種が細かく分かれている
⑦ それらの人が全員お客様の家に集まる
⑧ 好きな商品、気に入った材料を選んでも、必ずしも設置、施工できないことがある

と、少し考えただけでもこれだけあがってきます。

私が昔、分譲マンションの受付のアルバイトをしていた時、そこの新入社員の営業の男性が、「マンションってすごいなあ。こっちから出向かなくても、お客様が足を運んでモデルルームに来てくださるんやなあ!」と感嘆の声をあげているのを聞きました。(以前はどんな仕事をされてたのでしょうね…笑)

リフォーム業界で仕事をするようになった私も、「家電商品」のように、お客様に確実に目で見て、さわってから選んでもらえて、そのままお渡しできる、というスタイルはいいなあ、と思ってしまうこともあります。(リフォームではキッチンなど設備商品ひとつでも細かいパーツにわかれており、その家に合わせて発注することになります)

リフォームでは、実に、絶対にお客様の家に出向かなくては、始まらない仕事です。「図面だけで見積もりします」という業者さんもおられますが、今の下地の状態、工事範囲が確認できない限りは、参考になるかならないか程度にしか出せません。

お客様にお見積もりをお出しすると、中には「とにかく予算がなくて…」と切実にうったえる(?)方もいらっしゃるのですが、このような場合こそ、じっくり家を検分なさり、ご自身である程度の「見積もり」をされておくと、シビアに予算も詰められ、工事内容も充実するのでは、と思います。

わたし個人的には、業者が見積もりに伺わなくても、お客様の「セルフ見積もり」で工事が発注できるようになるといいなあ、と思うのですが…。でも、やはり下見には伺わないと、何があるかわからないのが、リフォームの現場なのです…笑