先のコラムで、工事は段取りがポイントと、強調させていただきましたが、段取りをする上で、重要なのが「工程」つまり工事の過程(プロセス)でしょうか。

わかりやすく言えば…リフォーム工事をフルコース料理に例えてみましょう。

まず、前菜、そしてスープ・サラダにメインディッシュ…デザートは最後に。
こういった、そのフルコースにふさわしい順番でお料理は出されて行かなくてはなりません。
また、スープは温かいうちに、デザートは冷たく冷やして、お皿も料理ができるころには温められ…すべての手順が守られ、材料を適切なタイミングで用意されることで、素晴らしい、美味しいお料理ができあがる…という具合です。

(つまり、工程とは「料理を作る流れ」で、工程表が「レシピ」とでもいいましょうか。)

リフォームでも同じです。
「工程」を考えるために大事なことは、「これが終わらないと、次の職人さんを呼べない、この部分が終わらないと、ここの仕上げができない、この日までにこの材料が必要」といった、「人と人、人とモノ、人と場所」の関連を考えなくてはならないということです。

リフォームでは、新築のように、各工程ごとに、数人の職人さんを入れて一度に仕上げるということはできません。
住みながらでは特に、一部屋ずつ、一カ所ずつ仕上げたり、全体と部分をある程度平行して完成させていく、といった方法を組み合わせていかなければならないこともあります。

それが計画されていないと、また、計画ミスや現場の予期せぬ状況で日程が延びたりすると、狭い場所に、多職種の職人さんがひしめきあってたりします。

大工さんがまだ木を切ってて木くずが舞っているのに、塗装職人さんがペンキを塗りに来ているとか、ドアわくの塗装が乾いてないのに、内装職人さんがクロスを貼りに来るとか…ですね…汗。

職人さんが来ているのに、材料を待って手持ちぶさたにさせている(「手待ち」といいますといったことも、日当から考えると、とっても無駄なことです。職人さんもダレてしまいますし。

とにかく、「工程」がうまく組んであり、現場の進行にあわせて、きちんと調整されていれば、工事もスムーズに進み、職人さんは働きやすく、仕上がりも上々といえるでしょう。

…といっても、本当に「予定通り」に行くのも難しいものです。日程に余裕を見過ぎても、お客様にも迷惑ですし、切りつめすぎても問題ですから。

とにかく、工程をきちんと考えている業者さんなら、工程表は作っているはずなので、ぜひ、もらうようにしましょう。(2~3日の工事なら口頭で確認してもよいと思います。)

ちなみに…業者さん、担当者によって、いろいろな考え方・進め方があるでしょうが、私の場合は、次のように工程を組んでいます。
【工程の組み方のポイント】をご参照ください。